この記事は一般的な情報です。妊娠中・授乳中の方、持病のある方、肌に強い炎症がある方は、使う前に医師か薬剤師に相談してください。
結論:ティーツリーオイルの使い方は「薄める・試す・様子を見る」
- 薄める:ホホバオイルなどの基材10mlに1滴で、約0.5%になります。
- 試す:腕の内側など目立たないところに少しだけ塗って、1〜2日ほど赤みやかゆみが出ないか見ます。
- 様子を見る:綿棒で気になるところだけに少量塗ります。2〜4週続けても変わらなければ、皮膚科に相談するのがおすすめです。
ティーツリーオイルで肌トラブルが起きる主な原因は?

原因1:濃すぎる・原液で塗る
原因2:古くなった・酸化したオイル
原因3:肌のバリアが弱っているとき
「天然だから肌にやさしい」とは限りません。精油は植物の成分をぎゅっと濃縮したものです。
原因別の見分け方:かぶれ?ニキビの悪化?
| 出ているサイン | 考えられる原因 | 対応 |
|---|---|---|
| 塗ったところだけ赤い・かゆい・ヒリヒリする | 刺激・かぶれ | すぐやめて水で洗い流す。続くなら皮膚科へ |
| 新しいボトルに替えたら平気で、古いボトルだと出る | 劣化・酸化 | 古いボトルは使わない |
| 施術後の赤みがなかなか引かない | バリア低下と刺激の重なり | 使うのをやめ、施術を受けたクリニックに連絡 |
| 塗っていない場所にも炎症性のニキビが増える・しこりがある | ニキビ自体の進行 | 皮膚科で標準治療を相談 |
| 2〜4週続けても変化がない | 合っていない可能性 | 皮膚科に切り替えを検討 |
AEAJは、精油の原液が皮膚についたら清潔な大量の流水で洗うよう呼びかけています。目に入ったときはこすらずに洗い流し、すぐに医師の診察を受けてください。顔が腫れる、息苦しいといった症状があれば、すぐに医療機関を受診してください。
ティーツリーオイルの薄め方は?滴数で分かる希釈早見表
希釈早見表
| 用途 | 目標濃度 | 基材5ml | 基材10ml | 基材30ml | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 顔のスポット塗り | 0.5%以下 | 0.5滴(作れない) | 1滴 | 3滴 | AEAJ(フェイス用0.1〜0.5%以下) |
| 顔全体 | 0.1% | 0.1滴 | 0.2滴 | 0.6滴 | AEAJ・SCCS(フェイスクリーム0.1%) |
| ボディ | 1%以下 | 1滴 | 2滴 | 6滴 | AEAJ(ボディ用1%以下) |
| 洗顔料に混ぜる | 1%以下 | 1滴 | 2滴 | 6滴 | SCCS(洗顔料1.0%) |
| シャンプーに混ぜる | 2%以下 | 2滴 | 4滴 | 12滴 | SCCS(シャンプー2.0%) |
※1滴の量は、ボトルの口(ドロッパー)によって変わります。0.05mlはあくまで計算上の目安です。
顔全体用の0.1%は家で作りにくい
SCCSの数字は「製品の上限」
作り方の手順
- 清潔な遮光ガラスの容器を用意します。
- ホホバオイルなどの基材を、計量カップで量ります。
- 早見表の滴数だけ、精油を落とします。
- ふたをしてよく振り、作った日をラベルに書きます。
- 少しずつ作って、早めに使い切ります。
ケース別の対処:美容医療の前後に使ってもいい?
使ってよいかの判断チャート
| 順番 | チェック項目 | 当てはまる場合 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 1 | レーザー・ピーリング・ダーマペンの直後で、赤みやかさぶたがある | 使わない | SCCS 2025(中等度の感作物質)、施術クリニックの指示 |
| 2 | レチノイド・過酸化ベンゾイル・ピーリング剤を使っている | 重ね塗りしないで医師に相談 | 日本皮膚科学会ガイドライン2023(標準治療としての位置づけ) |
| 3 | 試し塗りで赤みやかゆみが出た | 使うのをやめる | AEAJ安全のための注意事項 |
| 4 | 1〜3のどれにも当てはまらない | 0.1〜0.5%でスポット使い | AEAJ(フェイス用0.1〜0.5%以下) |
| 5 | 2〜4週続けても変わらない、炎症性ニキビが多い、しこりがある | 皮膚科で標準治療へ | 日本皮膚科学会ガイドライン2023、NCCIH 2025 |
施術前はどうする?
費用とダウンタイムの考え方
施術後に肌トラブルが起きたら、精油で何とかしようとせず、施術を受けたクリニックに連絡してください。
専門家・公的情報の見解:ティーツリーオイルのニキビへの効果はどこまで分かっている?
研究で分かっていること
NCCIH(2025年4月更新)は、少数の研究からニキビに役立つ可能性はあるものの、さらに根拠が必要としています。
日本のガイドラインでの位置づけ
標準治療との比較
| 項目 | ティーツリーオイル | 過酸化ベンゾイル | アダパレン | 抗菌外用薬 |
|---|---|---|---|---|
| 国内ガイドライン | CQなし | 推奨されている標準治療 | 推奨されている標準治療 | 炎症のあるニキビに推奨 |
| 主なエビデンス | RCT124人(5%ジェル、1990年) | 臨床試験あり | 臨床試験あり | 臨床試験あり |
| 効き始め | 過酸化ベンゾイルより遅い(Bassett 1990) | 医師の指示で判断 | 医師の指示で判断 | 医師の指示で判断 |
| 主な副作用 | 赤み・刺激・かぶれ | 乾燥・赤み・衣類の脱色 | 乾燥・ひりつき | 刺激、長く使うと耐性菌の心配 |
| 入手方法 | 雑貨・化粧品 | 主に処方薬 | 処方薬 | 処方薬 |
| 費用目安 | 製品の価格(商品で差がある) | 保険適用(診察料などで変わる) | 保険適用(診察料などで変わる) | 保険適用(診察料などで変わる) |
| 向いている人 | 軽いニキビをセルフケアで様子見したい人 | 繰り返すニキビを治したい人 | 毛穴の詰まりから治したい人 | 赤く腫れたニキビがある人 |
※副作用や向き・不向きには個人差があります。妊娠中・妊娠の可能性がある方は、処方を受けるときに必ず医師へ伝えてください。処方薬は、医師の説明に従って使ってください。
皮膚科に切り替えるタイミング
- 2〜4週続けても変化がない
- 赤く腫れたニキビや、膿をもったニキビが多い
- しこりのような硬いニキビがある
- 凹みや色素沈着など、跡が残り始めた
- ティーツリーオイルでかぶれた
予防・再発防止のコツ:劣化させない保管と選び方
保管と使い切り方
- 使ったらすぐにキャップを閉める
- 遮光瓶のまま、涼しくて暗い場所に置く
- 小さいボトルを選んで、早めに使い切る
- 開けた日をボトルに書いておく
- においが変わった、べたつくなど変化があれば使わない
- 薄めたものは少しずつ作る
雑貨と化粧品の違い
ISO 4730の表示を確認する
やってはいけないNG対応
- 飲む・口に入れる:NCCIH(2025年4月更新)は、口から摂ると錯乱、ふらつき、歩けなくなる、昏睡などの重い症状が出ることがあるとしています。AEAJも、薄めたものも含めて飲用はすすめていません。
- 原液で塗る・目の近くに塗る:AEAJは、原液は刺激が強いため薄めて使うよう呼びかけています。
- 施術直後に使う・レチノイドや過酸化ベンゾイルと重ねる:刺激が重なるおそれがあります。
- 古いオイルを使う:動物実験では、酸化したオイルの感作性は新しいオイルの約3倍と報告されています。
- 子どもの手が届く場所に置く:国民生活センター(2021年4月8日)の発表では、2010年12月〜2020年12月の約10年間に、3歳以下の子どもの「液体芳香剤」に関する事故情報が31件寄せられています。温めていたアロマオイルがかかったやけどや、顔にかかって皮膚に炎症が起きた事例もあります。
- 手作りスプレーで顔に吹きかける:SCCSの上限は、吸い込みを避けるためスプレー以外の形が条件です。
誤って飲んでしまったときは、自己判断で吐かせず、すぐに医療機関か日本中毒情報センターの「中毒110番」に相談してください。
まとめ:まずは低濃度で、迷ったら皮膚科へ
よくある質問
Q. ティーツリーオイルの原液は使ってもいい?
Q. ニキビに毎日塗ってもいい?
Q. 化粧水に混ぜてもいい?
Q. 妊娠中や子どもにも使える?
Q. ティーツリーオイルの効果はいつから出る?
参考にした主な情報:NCCIH「Tea Tree Oil: Usefulness and Safety」(2025年4月更新)/Bassett IB et al., Medical Journal of Australia(1990)/EU SCCS 最終意見(2025年11月14日、Global Cosmetics News報道)/日本アロマ環境協会「精油の希釈濃度」(2025年6月16日)・安全のための注意事項/Hausen BM et al., American Journal of Contact Dermatitis(1999)/Rutherford T et al., Australasian Journal of Dermatology(2007)/ISO 4730:2017/日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023/国民生活センター報道発表(2021年4月8日)
最終確認日:2026年11月1日




