- 到達層で仕分ける:美容液は角質層、水光注射・ダーマペン導入は表皮〜浅層真皮、リジュラン等の注射は真皮
- 分子量の壁:PDRNのピーク分子量は132,000Da、経皮吸収の目安は500Da未満(約264倍の差)
- 全成分表示での名前:PDRNではなく「DNA-Na」「加水分解DNA」「加水分解DNA-Na」
- 期待値の上限:化粧品の効能は56項目に限定。「再生」「ターンオーバー促進」「シワ改善」は標榜できない
- クリニックの足切り基準:未承認医薬品を使う自由診療の広告には5項目の明示が必要(医療広告ガイドライン 令和6年9月13日最終改正)
PDRN美容液とは何か:定義と、日本での正しい呼び名
美容液のPDRNとは、法的には何なのか
この視点は、商品の良し悪しを見分ける実務的な物差しになります。成分の中身を評価するのは難しくても、「書いてはいけないことを書いているかどうか」は誰でも確認できます。
PDRNの3つの届け方:塗る・導入する・打つの比較(pdrn 美容液 リジュラン 違い)

| 比較項目 | ①PDRN配合美容液(化粧品) | ②水光注射・ダーマペン等での導入 | ③リジュラン等のPDRN/PN注射 |
|---|---|---|---|
| 法的分類 | 化粧品(承認制度の対象外・全成分表示義務) | 医療機器+未承認医薬品の組み合わせ | 未承認医薬品(医師の個人輸入)※5 |
| 成分が到達する層 | 角質層※4 | 表皮〜浅層真皮 | 真皮 |
| 広告で言える効果の上限 | 化粧品56項目の範囲内。「乾燥による小ジワを目立たなくする」は効能評価試験済みの製品のみ※1 | 医師の説明義務下/医療広告ガイドライン規制下※2 | 同左(限定解除5要件の明示が必要)※2 |
| 1回あたりの費用目安 | 2,178〜2,970円(製品1本)※6 | クリニックにより差が大きい | 1cc 2万〜5万円、全顔1回2〜3ccで3万〜8万円※7 |
| 医薬品副作用被害救済制度 | 対象外(そもそも医薬品ではない) | 対象外 | 対象外(未承認のため)※3 |
| 魚アレルギー時の判断 | 由来表示を確認し、要パッチテスト・要医師相談 | 要医師相談 | 原則不可・要医師相談 |
| 購入・受診前に必ず確認 | 全成分表示にDNA-Na系があるか/広告表現が56項目内か | 使用薬剤の未承認の有無・説明の有無 | 限定解除5要件が明示されているか |
※1 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」薬食発0721第1号(2011) https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/kesyouhin_hanni_20111.pdf ※2 厚生労働省「医療広告ガイドライン」令和6年9月13日最終改正 32頁 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001304536.pdf ※3 PMDA「Q7 救済の対象とならない場合とは」(2025) https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0032.html ※4 日本化粧品工業連合会「化粧品等の適正広告ガイドライン2020年版」第3章E3 https://www.jcia.org/user/common/download/business/advertising/JCIA20200615_ADguide.pdf ※5 厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」(2024) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/topics/tp010401-1.html ※6 RAXY(楽天)2026年6月11日 ※7 ゆきスキンクリニック東池袋「リジュランの値段は?」2026年
施術の適否、リスク、ダウンタイム、費用については、必ず医師のカウンセリングで直接確認してください。本記事は制度上の枠組みを整理したものであり、個別の施術を推奨・否定するものではありません。
分子量で読む「塗るPDRN」の限界(pdrn 効果 ない、と感じる前に)
計算:PDRNの分子量 ÷ 経皮吸収の目安500Da
| 想定する分子量 | 計算式 | 500Daの何倍か |
|---|---|---|
| 低分子化PDRN 50kDa | 50,000Da ÷ 500Da | 100倍 |
| 標準PDRN(ピーク)132kDa | 132,000Da ÷ 500Da | 264倍 |
| 高分子PN 1,500kDa | 1,500,000Da ÷ 500Da | 3,000倍 |
成分表示に「PDRN」はない:DNA-Naの探し方(PDRN 成分表示 DNA-Na)
記載順から配合量を推定する
- DNA-Naが前半(水・BG・グリセリン等の直後)にある → 比較的高配合の可能性がある
- DNA-Naが末尾のほうにある → 1%以下の可能性が高い(1%以下は順不同なので、正確な順位は読めない)
- DNA-Na系の表示がそもそも無い → 「PDRN配合」の根拠を成分表からは確認できない
記載順からの推定はあくまで目安であり、正確な配合量を断定できるものではありません。1%以下の成分は順不同で記載できるため、順位だけで優劣を決めることはできません。
実務チェックリスト:買う前の5項目/受ける前の5項目
A:PDRN美容液を買う前の5チェック
- □ 全成分表示に DNA-Na/加水分解DNA/加水分解DNA-Na/サケ白子抽出物 のいずれかがあるか(「PDRN」は化粧品の表示名称に存在しません)
- □ その成分が全成分表示のどのあたりに書かれているか(1%以下は順不同のため、位置から配合量を推定する)
- □ 濃度がppm表記なら1%=10,000ppmで換算し、実際の配合量を把握する(原液換算か純分換算かの但し書きも確認)
- □ シワ訴求がある場合、「乾燥による小ジワを目立たなくする *効能評価試験済み」の注記があるか(注記のないシワ訴求は56項目の範囲外の可能性)
- □ サケ由来か植物由来かが明記されているか(魚介類アレルギーの有無で分岐。植物由来はサケ由来の臨床エビデンスを共有しません)
B:PDRN注射をクリニックで受ける前の5チェック
- □ (ⅰ) 未承認医薬品等であることの明示
- □ (ⅱ) 入手経路等の明示(医師等の個人輸入である旨+厚労省「個人輸入において注意すべき医薬品等について」の情報提供)
- □ (ⅲ) 国内の承認医薬品等の有無の明示
- □ (ⅳ) 諸外国における安全性等に係る情報の明示(主要な欧米各国で承認国がない場合は、重大なリスクが明らかになっていない可能性の明示)
- □ (ⅴ) 医薬品副作用被害救済制度の救済対象にならないことの明示
この5項目は令和6年3月22日改正(医政発0322第10号)で正式に盛り込まれ、令和6年9月13日に最終改正されました。PDRN注射(リジュラン等)を扱うクリニックサイトは、すべてこの規制下にあります。5項目が揃っていないサイトは、広告規制の要件を満たしていない可能性がある、という判断ができます。
条件別の判断:使ってよい人・相談が必要な人
魚アレルギーがある場合
「植物由来PDRN」は別物として扱う
その他、相談が必要なケース
- 妊娠中・授乳中の方:安全性のデータが十分とは言えないため、かかりつけ医や皮膚科にご相談ください
- アトピー・敏感肌で肌が荒れている方:自己判断で使わず、皮膚科医にご相談ください
- ダーマペン等の施術直後の方:創傷面への化粧品の自己使用は、必ず担当医に可否を確認してください
赤み・かゆみ・腫れなどの異常が出た場合はすぐに使用を中止し、受診してください。効果の感じ方には個人差があります。
使い方の基本手順
- パッチテスト:初回は腕の内側などに少量塗り、24時間ほど様子を見て赤み・かゆみがないか確認します。
- 使う順番:洗顔→化粧水→PDRN美容液→乳液・クリームが基本です。油分の多いものより先に使います。
- 量と頻度:メーカー推奨量を守り、製品の指示に従います。付けすぎても効果が上がるものではありません。
- 継続期間の目安:製品の指示に従い、まずは数週間ほど続けて様子を見ます(「乾燥による小ジワ」の効能評価試験でも、化粧品は2週間以上の使用が要件とされています)。
- 併用の注意:レチノールや高濃度ビタミンC、酸系(AHA/BHA)と同時に使うと刺激になることがあります。心配なら時間帯や日を分けます。
- 保管:直射日光・高温多湿を避け、開封後は表示期限内に使い切ります。
市場動向とトラブル相談の状況
相談件数の増加そのものがPDRN関連を指すわけではありませんが、美容医療領域が相談の多い分野であることは、契約前の確認を丁寧に行う理由になります。困ったときの相談先は消費者ホットライン188です。
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よくある質問
最終確認日:2026年8月31日




