顔の日焼け止めはどう選ぶ?美容医療中に見るべき4つの基準
基準1:肌のフェーズで「塗れる/塗れない」が変わります
基準2:規定量を塗り続けられる剤形かどうか
基準3:酸化鉄配合か(肝斑・PIHがある場合)
基準4:クレンジングの負担が小さいか
ここで挙げた基準は一般的な考え方であり、適した製品は肌質・施術内容・使用中の薬剤によって異なります。外用薬を処方されている場合は、日焼け止めの併用可否を必ず処方医にご確認ください。
美容医療フェーズ別 遮光プロトコル分岐チャート

分岐①:施術当日〜12〜24時間(レーザー/ダーマペン/ピーリング直後)
- 帽子(つばの広いもの)、日傘、マスク、UVカットフィルムの車窓で代替します
- 外出そのものを最小限にする時間帯です
- 再開のタイミングはクリニックの指示が最優先です
この段階でやりがちなNG:「SPFが高いものなら大丈夫」と考えて塗ってしまう。塗布・洗浄の刺激自体が問題になる時期です。
分岐②:かさぶた〜脱落直後
- 紫外線散乱剤(酸化亜鉛・酸化チタン)主体の製品を選びます
- 目安はSPF30以上・PA+++以上。数値より低刺激性を優先します
- 指の腹で押さえるように置き、伸ばすときも往復させません
この段階でやりがちなNG:普段使いのウォータープルーフをそのまま使い、落とすときに強くこする。
分岐③:PIH(炎症後色素沈着)期=おおむね3〜6ヶ月、長引けば1年程度
- 2〜3時間ごとの塗り直しを継続します(環境省マニュアル2020)
- 屋内でも窓際やモニター前では継続を検討します
- 色補正の方向で選べます:赤みにはミントグリーン、くすみにはラベンダー
この段階でやりがちなNG:トーンアップという表示だけを見て、酸化鉄非配合の白浮きタイプを選んでしまう。見た目は明るくなっても可視光対策にはなりません。
分岐④:トレチノイン・ハイドロキノン等の外用併用期
- アルコール(エタノール)・香料・強い清涼成分を避けます
- 塗る順序と間隔は処方医の指示に従います
- 乾燥が強い時期は保湿を先に入れ、日焼け止めは最後に重ねます
この段階でやりがちなNG:落ちにくい製品を使い、強クレンジングによる摩擦でPIHを悪化させる。
分岐⑤:維持期(施術から十分に時間が経ち、肌が安定している)
- 通勤・室内中心の生活ならSPF10〜30・PA++程度が目安とされています
- UV耐水性★以上は、屋外スポーツ・水辺・長時間の炎天下に限定します
- 環境省マニュアル2020によると、屋内勤務者が浴びる年間紫外線量は屋外勤務者の10〜20%程度です
この段階でやりがちなNG:毎日ウォータープルーフを使い、落とすために強いクレンジングが必要な状態を常態化させる。
顔用日焼け止め 医療スペック比較表
| 製品 | SPF・PA | UV耐水性表示 | ノンケミカル | 酸化鉄 | ティント/色補正 | 落とし方 | 内容量 | 0.8g×3回で使い切る日数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルクNA | SPF50+・PA++++ | ★★(耐水性訴求あり) | × 吸収剤配合 | × | なし | 専用クレンジング推奨 | 60mL | 約25日 |
| ラロッシュポゼ UVイデアXL プロテクショントーンアップ | SPF50+・PA++++ | — | × 吸収剤配合 | 〇 色材配合 | 〇 ローズ/各色 | 通常のクレンジング | 30g | 約12日 |
| ミノン アミノモイスト UVマイルドミルク | SPF50+・PA++++ | — | × 吸収剤配合 | × | ほぼ透明 | 石けんで落とせる | 80g | 約33日 |
| NOV UVシールドEX | SPF50+・PA++++ | — | 〇 紫外線吸収剤不使用 | わずかに色付き | 石けんで落とせる | 30g | 約12日 | |
| キュレル UVエッセンス/ミルク | SPF50・PA+++ | — | 〇 吸収剤不使用タイプあり | × | なし | 石けんで落とせる | 50g前後 | 約20日 |
| エリクシール るんとつや玉ミルク(デーケア) | SPF50+・PA++++ | — | × 吸収剤配合 | × | ほぼ透明 | 通常のクレンジング | 35g | 約14日 |
| 製品 | ノンケミカル | 酸化鉄 | 石けんオフ | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| NOV UVシールドEX | 1 | 0〜1 | 1 | 2〜3点 |
| キュレル UVエッセンス(吸収剤不使用タイプ) | 1 | 0 | 1 | 2点 |
| ミノン UVマイルドミルク | 0 | 0 | 1 | 1点 |
| ラロッシュポゼ UVイデアXL トーンアップ | 0 | 1 | 0 | 1点 |
| エリクシール デーケア系 | 0 | 0 | 0 | 0点 |
| アネッサ パーフェクトUV ミルクNA | 0 | 0 | 0 | 0点 |
クチコミ件数の多い定番=施術後の肌に最適、とは限りません。アネッサのような高耐水性・高密着タイプは、屋外レジャーや炎天下という別の用途で優れた選択肢です。用途が違うだけで、優劣の話ではありません。
「UV耐水性★」表示の読み方(2024年12月以降の新ルール)
そもそもSPFとPAは何を表す数値?基礎知識を最短で
数値より先に知っておきたい「いつ・どこで浴びるか」
曇りや室内なら塗らなくていい、とは言えません
「一度焼いておけば強くなる」の防御力
気象庁は「日最大UVインデックス(解析値)の月別累年平均値」を地点別に公開しています。自分の住む地域と月から必要な防御レベルを確認できるため、感覚ではなくデータで判断したい方に有用です。
あなたの日焼け止め、SPF何相当?逆算シミュレーション
計算の前提
- 400cm² × 2mg/cm² = 0.8g/1回
3ステップで逆算する
- 内容量を確認します(例:30g=30,000mg)
- 1本を使い切った日数と、1日の塗布回数を思い出します(例:60日間・1日1回)
- 次の式に当てはめます
実効塗布量(mg/cm²) = 内容量(mg) ÷ (使用日数 × 1日の回数 × 400cm²)
判定の目安
| 実効塗布量 | 判定 |
|---|---|
| 約2.0mg/cm² | 表示SPFに近い防御が期待できる水準です |
| 約1.0mg/cm² | 表示値を下回る可能性が高い水準です |
| 0.5mg/cm²以下 | 選んだSPF値がほとんど反映されない可能性があります |
消費ペース早見表
| 内容量 | 顔だけの回数(0.8g/回) | 朝1回運用 | 2〜3時間ごと1日3回 |
|---|---|---|---|
| 30g | 約37回分 | 約1.2ヶ月 | 約12日 |
| 50g | 約62回分 | 約2ヶ月 | 約20日 |
| 80g | 約100回分 | 約3.3ヶ月 | 約33日 |
この試算は面積400cm²という仮定に基づく概算です。顔の大きさ、首まで塗るかどうか、製品の伸びによって変動します。厳密な測定値ではなく、自分の使い方の傾向をつかむための目安としてご利用ください。
おすすめ第1位:NOV UVシールドEX(施術後の総合バランス)
- レーザーやダーマペン後、外用薬を併用している方
- クレンジングの摩擦を減らしたい方
- 敏感に傾きやすい肌質の方
- 屋外スポーツや水辺で長時間過ごす方(耐水性を訴求していないため)
- 白浮きやきしみ感が苦手な方(散乱剤主体のため感じやすい場合があります)
ノンケミカル処方は一般に低刺激とされますが、誰にでも刺激が出ないという意味ではありません。酸化亜鉛や酸化チタンでも合わない方はいます。初回は目立たない部位で試すか、クリニックで相談してから使い始めてください。
おすすめ第2位:ラロッシュポゼ UVイデアXL プロテクショントーンアップ(PIH期の可視光対策)
- 肝斑やPIHが気になり、下地を兼ねたい方
- 赤みをカバーしつつ遮光したい方
- 石けんオフにこだわる方(クレンジングが必要です)
- 色付きが肌色に合わない方
可視光防御に関する研究は肝斑患者を対象としたものが中心で、すべての色素トラブルに同じ効果が期待できるとは限りません。肝斑は自己判断が難しい症状です。診断と治療方針は皮膚科医にご相談ください。
おすすめ第3位:ミノン アミノモイスト UVマイルドミルク(乾燥・維持期)
- 乾燥が気になり、塗り直しを1日複数回したい方
- 規定量を守る運用に切り替えたい方
- 紫外線吸収剤を避けたい方(吸収剤が配合されています)
- 可視光対策を重視する方(酸化鉄は配合されていません)
おすすめ第4位・第5位:アネッサとキュレル(用途を分ける2本)
第4位:アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルクNA(屋外・水辺)
第5位:キュレル UVエッセンス/ミルク(日常の低刺激枠)
日焼け止めおすすめ 顔用の選び方を目的・タイプ別に整理
肝斑・PIHが最優先の方
外用薬を併用中の方
メイクの上から塗り直したい方
2026年の新しい選択肢を検討したい方
内服型のUVケア(アスタキサンチン配合など)はReFa・ロート製薬・富士フイルムから2026年ラインナップが拡大していますが、これらは食品であり、日焼け防止効果を標榜する表示は薬機法・景品表示法上できません(消費者庁 表示対策)。「飲めば塗らなくてよい」という位置づけでの利用は避けてください。
日焼け止めスプレーは顔に直接おすすめできる?
なぜ顔への直接噴射が推奨されないのか
塗り直し手段としての実効性
施術後の肌にスプレーを使う場合
顔用日焼け止めを使い始めるまでの流れ
- 現在のフェーズを確認します:施術からの経過日数、かさぶたの有無、外用薬の使用状況を整理します
- クリニックに再開時期と条件を確認します:「いつから塗ってよいか」「避けるべき成分はあるか」の2点を質問します
- フェーズに合う製品を選びます:本記事の比較表と分岐チャートを照合し、候補を2本程度に絞ります
- パッケージ表示を店頭で確認します:UV耐水性★の有無、全成分の酸化鉄、落とし方の記載をチェックします
- 量と塗り直しの運用を決めます:0.8g/回を基準に、1日何回塗るか、1本を何日で使い切るかを先に決めます
パッチテストと再診のタイミング
遮光を徹底するメリットと、正直に伝えたい注意点
メリット:施術投資を無駄にしにくくなります
注意点1:ビタミンD産生が下がる可能性
注意点2:クレンジング負荷が色素沈着を悪化させ得ます
注意点3:効果には個人差があります
施術のダウンタイムや費用も含めて、事前にクリニックで説明を受けることをおすすめします。日焼け止めの選択も含め、治療計画全体として医師と相談するのが最も確実です。
よくある質問
Q. 顔用日焼け止めのおすすめは結局どれですか?
Q. 日焼け止めは顔と体で分ける必要がありますか?
Q. SPF50+なら塗り直さなくていいですか?
Q. レーザー治療の後、いつから日焼け止めを塗れますか?
Q. 「ウォータープルーフ」と「UV耐水性★」は同じ意味ですか?
- 令和元年度厚生労働科学特別研究事業 美容医療診療指針(日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会, 2020年)
- 環境省 紫外線環境保健マニュアル2020(2020年3月改訂版)
- 日本化粧品工業会 耐水性測定法基準/紫外線防止(2021年)
- Kim SM, et al. J Am Acad Dermatol(2010年)
- Castanedo-Cazares JP, et al. Photodermatol Photoimmunol Photomed(2014年)
- Boukari F, et al. J Am Acad Dermatol(2015年)
- 気象庁 日最大UVインデックス(解析値)の月別累年平均値




